当会で販売している基材セットは、主材に「ピートモス(輸入品)」、副材に「もみ殻くん炭」を使用しています。
主材には、ピートモス以外にどのような材質が適しているのかを探りたく、生ごみ分解速度の荒っぽい比較をした結果がありますので、その概要を報告いたします。
その候補材として、おが粉(木材を切った際にでる粉)と竹粉(竹を切った際にでる粉)を考え、おが粉では「杉」と「ひのき」を比較してみました。
最初に「ピートモス」と「竹粉」を用いた基材を用意し、初冬の11月より生ごみの同時投入を行いました。
次に「ひのき粉」の基材を用意し、翌年10月に生ごみ投入を開始しました。
その次に「杉粉」の基材を用意し、真冬の1月より生ごみ投入を開始し、生ごみ分解の様子を目視しました。
生ごみ分解速度は、周囲温度(高いほど速い)や、生ごみ投入量(多いほど速い)によって影響を受けますが、次に示す比較はその影響度合を無視したコメントでもあります。
☆基材の主材材質と生ごみ分解性との関係:
評価項目 | ピートモス | 竹粉 | ヒノキ粉 | スギ粉 |
基材構成:主材 副材 | ピートモス もみ殻くん炭 | 竹粉 もみ殻くん炭 | ヒノキ粉 もみ殻くん炭 | スギ粉 もみ殻くん炭 |
初期水追加量 | 3L | 6L (3日後容器の底水浸し) | 6L (まだ水少ない様子) | 6L |
生ごみ投入期間 | 14,11-15, 9 | 14,11-15, 9 | 15,10-16, 1 | 16, 2-16-5 |
生ごみ投入量 | 160kg/2分割 | 160kg/2分割 | 61.0kg | 53.3kg |
| | | | |
生ごみ分解力 | ○ | ○○○ | ○○○○ | ○○ |
生ごみの水切り要求度合 | 大雑把 | しっかり水切り | しっかり水切り | 少し水切り |
生ごみ投入中の 搔き混ぜ労力 | 標準 | べたつき感大で 労力大 | べたつき感大で 労力大 | べたつきが出て 少し労力大 |
害虫の寄りつき | 子バエ発生頻繁 | 子バエ発生1,2回 | 子バエ発生頻繁 | 子バエ発生頻繁 |
その他の現象 | | | 初めの水追加で、基材が膨張 | 初めの水追加で、基材が膨張 |
★比較実験から言えること:
1)ダンボールコンポストで生ごみ堆肥化を始める方には、投入中の労力が少ない『ピートモ
ス基材』を勧めます。
2)経験を持って継続した取組みの方には、『スギ粉のおが屑』を勧めます。
理由:・スギ粉1%前後の油分を含むので、出来上がった堆肥の肥料度が高くなることが
期待できる。(ヒノキは約3%前後の油分が含まれる)
・木材加工所に出向くと、おが屑は無料で頂ける可能性を持つ。
★注意事項:
・副材には必ず『もみ殻くん炭』を使ってください。
本方法は好気性バクテリアの働きで、生ごみを分解しています。くん炭はバクテリアへ
の空気の供給源機能を持ちます。
・主材と副材の容積比率は3対2が最適です。
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